IT事情

エンジニアに業務知識は必要か?ERP追加開発エンジニアの意見

業務知識神話

新人の頃、会社の役員が

エンジニアには業務知識が必要だ!みんな!業務知識を覚えるんだ!

と、熱く語っていました。

彼らの言い分としては

  • プログラミング言語が廃れてしまったら技術として残らない!
  • 業務知識を持っているSEは食いっぱぐれない
  • 業務知識を持っているSEは単価(価値)が高い!

らしく

その当時、その言葉に乗せられ

そうか!業務知識を身に付けなければならないのか!

と思っていました。

いわゆる

業務知識神話

なるものを信じておりました。

そしてそれから15年以上の時が流れました。

間違いもあるかも知れませんが

客先常駐でERP追加開発15年以上してきたプログラマーとして

一石投じてみたいと思います。

結論から

私の結論をまず述べると以下の通りです。

日本の業務系エンジニア』という閉じられた世界だけでは武器になる。
会社特有の知識もあるので万能ではない。

です。

その理由を解説していきます。

業務知識とは?

まず業務知識とは?どんなものか?

というと

その話だけで終わってしまうので、ここでは簡単に説明します。

業務知識とは

会計・販売など

おおよそどの会社にもある業務に関わる知識です。

  • 経理業務
  • 販売業務
  • 固定資産管理
  • 在庫管理
  • 原価管理
  • 人事

など数えたらきりがないのですが、

例えば経理業務であれば、

仕訳伝票、貸借、回収消込、請求書出力、財務諸表出力、資産、負債、費用、履歴

といった知識が必要になってきます。

これらの言葉も当然、業務知識の1つではありますが、

言葉の定義だけを知っているだけでは業務知識と呼べないです。

これらの言葉を理解した上で

会計の業務イメージがついている人のことを

業務知識がある人

と呼びます。

じゃあ必要じゃん?

上記のような感じだと

そうか!業務知識あった方があったほうがいいな!

と思うのですが

その判断をちょっと立ち戻ってもらいたいことがありますので、

これから説明していきます。

日本の業務システムの中だけの知識

まず当然かもしれませんが、

システムエンジニアの仕事は

業務システムだけではありません

WEB系、組み込み系、スマートフォン開発、その他もろもろあります。

あくまで業務システムの中だけで使える知識だということです。

日本独特の癖がある

また業務知識は

日本特有で世界に通用しなものもある。

例えば日本では

業務知識を持っている人同士では通じる表現で

『請求書を締める』

という、概念が存在します。

これも業務知識の1つですが、

そもそも海外にはそんな概念はないようです。

業務知識を覚える

というのは言葉を変えれば

日本の独特な癖や表現を覚える

と言い換えてもいいのかもしれません。

海外には業務知識なるものがあるのか?

そもそも海外で業務知識なる概念はあるのか?

気になったので、

googleアメリカで少し検索してみましたが

業務知識のような言葉はアメリカは存在しないみたいです。

海外、特にアメリカのエンジニアは

誰でもなれる仕事ではく、『学士』が必要との事です。

エンジニアとしてノウハウを積んだ人が就ける仕事

らしいです。

また、人材を派遣してプログラミングをする形態があまりなく

全て内製らしいので、

業務知識は優秀な内製エンジニアがいるから不要

なのではないかと推測しています。

業務知識は

日本が建築のゼネコンみたいなヘンテコリンな構造の弊害で生まれた言葉

なのかもしれません。

業務知識を持っている方が単価が高い?

話を現実の日本の現場に戻します。

確かに業務知識を持っていると単価が高いです。

しかし、

お客さんと会話して仕様を決められる人が単価が高い

というだけで、

業務知識を持っているだけでは意味がなく

業務知識を駆使して

仕様を決める顧客折衝能力

が無ければ意味がありません。

サッカーに例えると

キック力があってもゴールを決める決定力が無ければ意味がない

と同じことだと思います。

業務知識の判断が曖昧

単価が高い割には

業務知識を

持っているか/持っていない

の判断規準が曖昧です。

会計の業務知識で言えば

経歴書に

  • 会計システムの設計経験
  • 会計の要件定義経験
  • 経理業務の経験がある
  • 顧客折衝が得意

などが書いてあれば業務知識を持っていると判断できますが

なかなかそんな人材はいません。

それ以外は

一緒に仕事をしたり、面談で会話をしないとわからない

というのが現状です。

現場で理解するしかないものもある

すべての会社において共通の認識が無い業務があります。

会社特有の業務知識の場合は

お客さんしか知らないので

『その場で聞き出す』

必要があります。

またエンジニアとしては

システムの仕様を決めて合意を取れればなんでもあり

ですので、

業務知識が要らない場合もありますし、

単純に『顧客がどんな業務をしていればよいか?』

を理解すればいいときだけのことがたくさんあります。

狙って身につく知識ではない

業務知識を身につけたい!

といっても、狙って身につかない知識もあります。

会計だったら仕訳、貸借、総勘定元帳など簿記の勉強をすれば言葉は覚えられますが、

あくまでそこまでしか得られません。

そもそも会計の業務知識であれば

経理の業務をすること

が一番の近道ですし、

会計関係の要件定義をするのが一番なのですが、

普通に働いているとそんな仕事は回ってきません。

業務知識とまったく関係のないプログラムもあるので、

そんなことをやっているうちに

業務知識は身に付かないまま終わります。

業務知識が身につくのは回ってくる仕事次第です。

業務知識ガチャです。

プログラミング言語が廃れる?

業務知識が必要な理由として

『プログラミング言語が廃れた場合、仕事が無くなる』

という話がありますが、

大体の言語は半永久的に残っていますし

逆に言語が廃れるほど貴重な人材になっている

ような感じが現場の肌感覚です。

また仮にプログラミング言語が無くなったとしても

仕事がなくなるわけではなく

何かしらのプログラミング言語で開発した経験があれば無駄にはならない

と言うのが私の結論です。

現実的な話

これまでは理想的な話も含まれていましたが、

現場の肌感覚としては少し知っておけば有利になる知識もある

と伝えておきます。

正直、現場の肌感覚としては

業務知識がない若手社員が参画して

回収消込って何ですか?

と聞かれると説明する気が失せてしまうのも事実です。

なぜなら開発の現場では1、2時間も説明する時間は用意されておりません。

そして1回説明しても、

大体何回か聞いてくるので、仕事が回りません。

今の日本の体制だとやはり業務知識なるものを持っている人の方が

話が通じて仕事がしやすいのは事実です。

まとめ

個人手金は

エンジニアが目指すべきは世界のすべてをデザインできる力

だと思うので、

顧客の業務をシステムに変えるのはあくまでその中の一部であり、業務知識はそれに少しだけ使える知識です。

さきほども書きましたが、

業務知識があっても

仕様が固まらなければ意味を成しません。

そして

業務知識を持っていそうだな~

と思う人に限って

『業務知識が必要』

なんて騒がないです。

騒ぐ人は、会社役員か営業です。

なので、

業務知識に関するブログの投稿も少ないんだと思います。

知識が思い込み仇になるときもあるので、

その場でお客様の業務を理解する能力さえあれば、良いので

業務知識、業務知識!

っていうのも考えものです

人の話をよく聞きき、問題意識を問いかける癖をつける

人の話をよく聞くためには

睡眠、運動、食事で体と心を整えるほうが重要だと思う

今日この頃です。

・・・すみません。

当たり前の話になってしまいました!

新人エンジニアへ

業務システムの現場に入った新人の方へ助言です。

業務システムは母数が大きいし、

他のエンジニアと比べて参入障壁が低い感じがあります。

なので、何も希望がなければ

業務システムの開発に回される確率が高いです。

『開発できればなんでも良い』

というのであれば、頑張ってくれればよいですが

やりたいことがあれば、

すぐに会社に言ってみても良いと思います。

納得のいく回答が得られなければ、見限った方が良いかも知れません。

ただ、業務知識が得られる現場だったら3年とか期限決めて業務知識を身に着けておけば、フリーランスになっても日本では仕事が見つかりやすいので、それは自分の人生と相談して決めた方が良いと思います。

この記事が人生設計のお役に立てれば幸いです。

日本の業務系エンジニアという閉じられた世界だけでは武器になる。会社特有の知識もあるので万能ではない。

お願い

最後まで読んで頂き、有難うございます。

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